『インデックス投資は勝者のゲーム – 株式市場から利益を得る常識的方法』

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ジョン・C・ボーグル著『インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法』は、そのタイトル通り、インデックス投資をしなさいという本です。ジョン・C・ボーグル氏は「インデックスファンドの父」と言われている方で、この本も非常に有名です。投資を全くやったことがない人が、この本に最初に出会ったらラッキーだと思います。良書です。

インデックス投資をやってみたいと思っている方、インデックス投資を始めたばかりでもっと勉強したい方、インデックス投資を長年やっているけれどその正しさを再確認したい方等には、特にお勧めです。本書より、次の3つのポイントでご紹介します。

  • 寓話
  • 市場のリターンは投資家のリターンと一致しない
  • アセットアロケーションについて

寓話

そのむかし、ゴットロックスという裕福な一族がいました。何世代も繁栄し、米国株を100%保有していました。一族は皆、同じように豊かになり調和していました。資産は複利で巨大化し、「勝者のゲーム」をしていました。

ところがある日「助言者」が現れ、一族の一人に、他の親戚より稼ぐことが出来る方法があると説きました。その後一族の内で売買が行われ、「助言者」は手数料を得ました。

一族の内の売買は、その一族内で所有権が再分配されただけです。しかしこれにより、一族の富の増大ペースが落ちました。「助言者」へ手数料を払ったことにより、パイの一部が食われたからです。

それを見たゴットロックス家の人達は、『間違った「助言者」だったのかもしれない、さらに良い「助言者」を探さなければ』ということで、その新しい「助言者」のアドバイスに従って取引をしましたが、さらに富の増大ペースが落ちました。

そんな中、危機感を覚えた一族で一番の長老が、「助言者たちを追放しろ。彼らに払ったお金と税金は、我々が本来もらえるはずだった配当と利益から出ている」と言いました。

一族は長老の話に忠実に従い、かつての受動的だが生産性の高い戦略に戻しました。そして、ゴットロックス家は末永く、幸せに暮らしました。

・・・・・

最初に助言者の話を信じた人は、自分にとってより良い方法だと思ってやったわけなのですが、その行動が、全体から見るとかえって裏目に出てしまったということが、この寓話から分かります。

基本的に何かを改善するためには、行動することが大切ですが、こと長期投資に関しては、必ずしも行動することが良いとは限りません。長期投資で大事なことは、「何もするな、そこにいろ」ということです。

a red paper bag in the middle of red balloons with percentage symbols
Photo by Karolina Grabowska on Pexels.com

市場のリターンは投資家のリターンと一致しない

例えば、市場全体で100のリターンが出たとします。その100のリターンは、市場に参加している投資家たちのリターンの総和とは等しくなりません。なぜなら、100のリターンから信託報酬、売買手数料、売買益の税金等(10とする)が控除された結果が、投資家たちのリターンの総和90(=100-10)になるからです。

つまり、

市場のリターン > 投資家のリターンの総和

ということです。

なお、売買手数料は売買すればするほどかかるペナルティのようなものですので、先ほどの寓話の通り、「何もするな、そこにいろ」ということになるわけです。一度インデックス投資信託を買ったら、そこから動くべきではない、ということです。

この本では、コストが勝敗を分けるということが語られています。

投資信託は、アクティブファンドインデックスファンドの2種類ありますが、アクティブ運用のポートフォリオがパッシブ運用のインデックスファンドに勝つ可能性は、運用期間が長期になればなるほど低くなります。

運用期間が1年の場合、30%近くのアクティブファンドがインデックスファンドに勝ちます。それが、5年の場合は15%、10年の場合は9%、25年の場合は5%、50年の場合はたった2%と、期間が長期になればなるほど、アクティブファンドがインデックスファンド に勝てる可能性が低くなるということです。(これを図にすると下図のようになります)逆に言うと、インデックスファンドは98%の確率で、アクティブファンドに勝てるということです。

なぜこうなるのかというと、アクティブファンドの方が、インデックスファンドに比べて、多額のコストがかかるからです。

これは、ギャンブルで胴元が常に勝利するのと同じ理屈です。投資にかかるコストを差し引く前では、市場に勝とうとすることはゼロサムゲームでしかありません。カジノでは常にハウスが、競馬では競馬場が、宝くじでは常に自治体が勝ちます。

「大きな利益を手にするのは資産運用会社であって顧客ではない」(by ウォーレン・バフェット)

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Photo by Nataliya Vaitkevich on Pexels.com

アセットアロケーションについて

株単体のポートフォリオでは暴落することがあるので、賢明な投資家は、その暴落時のダウンサイドプロテクション(危険防止策)として債券を組み入れます。

株式ばかりを組み入れたポートフォリオでは、暴落時の精神的ショックも相当のものですし、状況により損切りする必要があるかもしれません。そういう最悪な事態を避けるために、通常は債券を組み入れます。

例えば、リーマン・ショック時の各資産の最大下落率は下図の通りでした。株式は△60%~△72%であったのに対し、債券は△2%~△53%でしたので、債券が株式のパフォーマンスを上回ります。また実は、短期的には債券が株式を上回ることも多く、1900年以降の117年のうち、債券が株式のパフォーマンスを上回ったのは42年間(約35%)もありました。

(出所:ピクテ

リターンの94%は、アセットアロケーションで説明可能と言われています。つまり、どの資産をどういう割合で組み合わせるのかということによって、リターンはほぼ100%決まるということです。

グレアムの理論では、株式:債券=50:50とすることを基本とし、株はポートフォリオの75%を上限、25%を下限とすることが推奨されています。状況により、最適な比率は変わります。例えば、攻め重視の若者は株式比率高め(75%とする等)とするでしょうし、守り重視の引退者は株式比率低め(25%とする等)とするでしょう。全ての人に共通の最適なアセットアロケーションというのは、存在しません。

ただし、株式であれ、債券であれ、バランス型であれ、いかなる場合であっても、最低コストのインデックスファンドを頻繁に売買せずに持ち続けるのが「勝者のゲーム」です。

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Photo by Pixabay on Pexels.com

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下図は200年間の資産運用のリターンをグラフにしたものなのですが、株式が右肩上がりに増えている一方で、金はほぼ横ばい、債券はその間、そして預金に至ってはインフレ調整後なのでマイナスになっている様子が描かれています。

つまり、超長期で見ると100%株式投資で良いのではないかという結論にもなると思います。若い方、運用期間がまだ何十年もある方であれば、株式100%のインデックスファンドに100%投資するというのも、選択肢として「あり」といえます。(ただし株式暴落時は精神的につらくなるかもしれないので、その時には理論に立ち返ってください。自分のやっていることは正しいはずだと思えると、何があってもぶれないと思います。)

(出所:ジェレミー・シーゲル『株式投資 第4版

私の場合は、個別株と株式インデックスファンドの合計で、株式割合は70%程度あります。 グレアムの理論の推奨範囲ではありますが、少し高めですね。

全ての人に共通の最適なアセットアロケーションというのは、存在しませんので、歴史的データや理論を参考に、年齢やその他状況を勘案し、ご自身で最適なアセットアロケーションを考えてみてください。

本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『 インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法 』 をご参照ください。

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