『99%の人が気づいていないお金の正体』は、著者の堀江貴文氏が、お金「だけ」をテーマにして書いた初めての著書です。
1万円札はただの紙切れなのに、1万円分の物やサービスと交換できるのは、社会の大多数の人が1万円札には1万円の価値があると「信じている」からです。
「お金=信用」であり、お金に翻弄されて生きるのは馬鹿馬鹿しい生き方だと著者は言います。
本書を、次の5つのポイントでご紹介します。
- 信用さえあれば全財産を失ってもダメージはない
- 保険料を支払う人は思いっきりボッタクられている
- 会社に「飼いならされた」サラリーマンなんてもういらない
- 引きこもりやニートこそ起業が向いている
- マネー革命が始まっている
信用さえあれば全財産を失ってもダメージはない
「人生何が起こるか分からないから、いざという時に備えて必ず貯金をしておきなさい」と、親や教師に言われたことがある方は多いと思います。
しかし本当に貯めるべきは、信用を紙に置き換えただけのお金ではなく、信用そのものなのです。
信用は一種の無形固定資産であり、周りからの信用があればその信用をお金に変えることも出来ます。つまり、どんなにピンチに陥っても必ず誰かに助けてもらえるのです。反対に、1万円札をいくら積み上げても、信用を買うことは出来ません。
社会的信用を上げておくことこそが、最大のリスクヘッジになるということです。
保険料を支払う人は思いっきりボッタクられている
数か月後に確実に死ぬのであれば、高額な保険料を支払い、生命保険に入る意味はあるでしょうが、いつ死ぬかは誰にも予測できません。予測のつかない未来にお金を投じているという意味で、生命保険とギャンブルはよく似ています。
2018年9月に起こった台風21号の被害の時には、損害保険会社より史上最高の1兆678億円の保険料が支払われましたが、これだけの金額を契約者に支払ったとしても保険会社がつぶれることはなく、経営難に陥ったというニュースさえ出てきていません。
損害保険も生命保険も、日本が沈没すること等がない限り経営破綻しない、超手堅い商売です。
保険料を支払っている人達は、実は思いっきりボッタクられているのです。
日本には他にも、情報弱者向けビジネスは数多く存在します。例えば、宝くじ、競馬等のギャンブルです。宝くじは、胴元が半分以上を手数料として取り上げたうえ、残りのお金を当選金として客に分配しているもので、こんなボッタクりのビジネスが失敗するはずはありません。
生命保険や住宅ローンなどの割に合わない金融商品に手を出していては、いつまでたってもお金を増やすことは出来ません。
重要なのは、世間の常識にとらわれず、自分で一つ一つ調べる癖をつけることです。
会社に「飼いならされた」サラリーマンなんてもういらない
終身雇用制度は、1940年代後半にできたものです。正社員を簡単には首にできない、正社員の終身雇用を会社に約束させました。
年功序列に伴う定期的な昇進、退職金の支払いも保証され、一度入った会社を定年までやめないというスタイルが定着しました。
しかしバブル崩壊後、多くのサラリーマンがリストラされ、終身雇用は崩壊しました。21世紀初頭に、小泉純一郎元首相、竹中平蔵氏が、正社員の終身雇用にメスを入れました。
既に終身雇用は崩壊しているのに、給料や手当に納得できない場合でも文句ひとつ言えず、サービス残業という名のただ働きを黙って何十時間もやり続け、内心は不満でいっぱいなのに、より良い職場への転職も検討しない、行動しない人が多くいます。
これからは、仕事を作り出す人が、益々活躍できる世の中になっていきます。
終身雇用、年功序列に惑わされてはいけません。
引きこもりやニートこそ起業が向いている
起業というと、とてもハードルの高いことと聞こえますが、現在はネットのお陰で起業のハードルがとても低くなっています。IT系サービスをSNSで広告すれば、起業資金はいりませんし、資本金1円で会社を作れます。今この瞬間に、起業は出来るのです。
堀江氏は、学校教育をドロップアウトした、引きこもりやニートには、無限の可能性があるといいます。社会常識に欠けているかもしれませんが、それが逆に強みになります。
常識人にはとても思いつかないような突拍子もないアイデア、妄想、空想が出来るのです。また失うものがないので、ワンチャン狙ってリスクを取れるということも大きな強みになります。
一方有名大学卒で大企業に勤める方は、堀江氏に言わせると「小利口なだけ」です。要領はいいけれど、全然面白みのない人が多いということ。
一流企業に勤めていれば比較的高いお給料をもらえるので、リスクを取る必要性がないのです。だから、世の中のレールに乗って生きてきた常識人ほど、リスクを恐れて保守的になってしまいます。
今は、対人恐怖症、早起きが苦手という理由で社会復帰できない人でも、ネット上で完結する仕事であれば他人と顔を合わせず、自分のペースで仕事が出来る時代です。Lineのやり取りだけでも仕事がまわります。
株式市場で勝負するディーラーの中には、半ばゲーム感覚で仕事を楽しんでいる方もいます。引きこもりやニートの人も、ゲーム感覚でどんどん社会参画して、世の中を変えることが出来るのです。
マネー革命が始まっている
堀江氏は、YouTubeはマネー革命だ、変人とオタクはYouTuberになると良いと言います。
親や教師の中には、YouTuberなんてくだらないという人もいますが、堀江氏はそんな人の方がくだらないと言います。
YouTuberのように不安定で遊びのような仕事で生活できるわけがない、ばかげた夢を持つな、就職しなさい、と子供を型にはめ込もうとします。
確かに親や教師の言いつけを守り、学校の勉強だけをしていれば、他人に言われた通りに動く普通の子供にはなるでしょう。
しかし機械やAIが多くの仕事を簡略化するこれからの時代においては、普通の人が、人に言われた通りに仕事をこなしているだけでは、いつかその仕事がなくなってしまうことは明白です。
イノベーションと熱狂をビジネスに昇華できる人は、周りの空気を読まずに、やりたいことをとことん突き詰める人です。
変人と言われようが、オタクと言われようが、一つのことに徹底的にはまりきり、何十、何百という次なる課題に挑戦し続けるというような人が、YouTuber等の分野で、オンリーワンとして輝ける時代であると、堀江氏は言います。
さらに堀江氏は、YouTubeを、ポジティブな感情を共有する「シェアリング・エコノミー」と読み解けとも言います。YouTubeは、面白いと思ったら友達にリンクを送り、シェアをすることができます。いいね!という感情を皆でシェアすると、皆がネットワークのようにつながり、大きなうねりを生みます。YouTuberは、その見返りとして広告収入を得ます。
このようなグローバルな現象を、「ポジティブな感情でみんながつながるシェアリング・エコノミー」と考えれば、頭の固い人も考えを改めるはずだと堀江氏は言います。
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お金やビジネスは、日々刻々と形を変えています。このような新しい世界についていけるか否かで、今後AIに仕事を奪われるか、自分に付加価値をつけることが出来るかが決まってきます。
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本書に興味を持っていただいた方、詳細は 『99%の人が気づいていないお金の正体』 をご参照ください。
☆堀江氏の本
何のために働くのか。「やりたいことがない」は嘘である。『ゼロ』
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